徒然記
Vol.5

『貧乏性』


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はてさて

先日、冠婚葬祭のお返し関係で

カタログギフトを選択する機会がございました。



なるほど、

最近のカタログギフトは

商品アイテムが増えたりして

何かと進歩しているのだな。。。と感心しつつ

ペラペラとページをめくったわけですが。。。




まあ、たいがい、こういったタイミングで

『ああ、これ、すごぉ〜く欲しかったのよぉ〜〜〜!!』

ってなもんにぶちあたることは

ごくごく稀でございます。



であれば

ある程度、商品候補をしぼったら

より高価モノを選択するというのが

正しい貧乏症のあり方でしょうか・・・




と、そんな気分を見透かされたのでしょうか?



カタログの裏表紙に

『どれを選んでいただいても同等商品です。』

という文章が記載されていたわけであります。




ふむふむ

なるほど、先手をうってきたか

くそっ

だまされるものか

そんな不埒な文章を載っけて

痛くもない腹をさぐっているつもりか



あ、いや、痛かったか、ははは



もとい

人の弱みを

あ、いやいや、

プライドでもつつこうとでもいうのか。。。



だが

貧乏症には

そんなヤワでケチなプライドなどないのだな、ふっ



そう、貧乏性というのは

他人に惑わされず

自分の意志を貫かなければならない



と、カタログのページを進める。。。



とと、今度は

『大事な方へのプレゼントにいかがでしょうか?』

という失礼な文章が目に飛び込んできたわけでございます。



なんですと?



いやまて、これがカタログショッピング本なら

意味は分かる



だが、これは

カタログギフトという立派な、

すでに『プレゼント』ではないのか・・・?



なんと、『プレゼント』を『プレゼント』。。。

つまり、『使い回し』を立派に推進しておるではないか?



そんな

誰かからお中元でやってきたカルピスの『のし』を貼り変えて

他の誰かへのお歳暮にあてるような

そんな人の好意に泥をぬる行為、

そう、そんなそんな

破廉恥な行為が

断じてあってはならない、、、、



そんなセコい精神があってはならぬぅ



おっと

矛盾してるのでは???

思う事なかれ



そう

勘違いしてはいけません。



清く正しく貧乏性として生きていくためには

ここが大事なところだぁぁぁ!!!!!



てなわけで、


貧乏性の敵とは

世間にはびこるうっかりとした贅沢なのであって

そのうっかりな贅沢を

いかになくすか、あるいは、得に変えるか

というところに貧乏性の美徳があるのでございます。



つまり

何が言いたいかと言うと

貧乏性が目をつけやすい『うっかりな贅沢』は

経済発展の中にこそ多く存在するわけで・・・



そう、言うまでもなく

使い回しは経済発展の妨げとなり

経済発展なくして

貧乏症の手腕が発揮されることはない・・・



というわけであって。。。



さらに

貧乏性のプロとして(プロなのか。)

むやみにその正体をさとられてはいけません。


マジック同様、ネタあかしは禁物なのであって

人様に対してついうっかりな失礼があっては

うっかりと『うっかりな贅沢』のネタばらしのチャンスを与えかねません。



あくまでも誇り高き貧乏症として

すこぶる慎重に生きていかねばなりません。






おっといけねぇ。



もとい。。。





えっと、そう、カタログギフトの話です。



まず、ある程度、商品の候補をしぼり、

そして、それぞれの推定金額をはじき出す!!

その際、わざわざその商品を買いに行った場合の

運搬の手間、送料なども計算に入れながら

じわりじわりと吟味していく・・・



〜 どの商品を選んだら一番のおりこうさん か 〜



そう、貧乏症は

吟味に労するエネルギーの非効率性は棚に上げて

ほうら、あたしったらがんばってこんなに得をしたの〜!!

いや〜ん、おりこうさんでしょ???



って自意識が発生すれば

誰かにねぎらいの言葉をかけられずとも

実は満足だったりするのです。



そう、よするに、貧乏性とは孤独な生き物なのです ね。


(いやーん。自分で言っちゃった。)






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さてさて

長い前フリの記録更新か



ってゆーか

前フリだったんだ〜???

溜め息をついている皆サミ。。。



ふふふ



最初に言っておきますが

この後の文章にも何の生産性もないので

あしからず。。。




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『貧乏性』は『貧乏』よりも強い



例えば

ひとり暮らしのおいらが

カレーをひと鍋作ったとする



だいたい集中して

3日間は食いつづけたとして

そろそろ飽きたなという頃には

残りを冷凍する



だが残りの材料の方はそうもいかない

冷蔵庫の中に残された玉葱くんやらと人参くんやらが

日に日にしなびていくわけである



こういった場合

貧乏性というのは

カレンダーを片手に



〜ふうむ、このしなびれ具合を見るに

この日あたりがこいつらを調理する最後のチャンスだな〜



という『チャンスデー』を設定する



そして

めでたく『チャンスデー』を迎えたら



〜ようし、今日帰ってから、あいつらで何を作ってやろうかな〜



と、わくわくしながら一日を過ごしていられる



が、そんな時に

よりにもよって

誰かに食事に誘われたりする。


しかも、なんとおごってくれるという。。。!!



『貧乏』にとってはこの上ないチャンス到来!!なのだが

今日は大切な『チャンスデー』なのである。



だが、なんでよりにもよって今日なのだ?



そう、迷わず家に帰り、

自分のためにせっせと肉じゃがをこしらえることができるのだ、、、



そう、『貧乏性』『貧乏』にもうち勝つことができるのだったぁぁぁ!!



こうして

貧乏症の孤独性は

どんどん奥が深くなっていくわけなのですね。


(深いのか?)





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えっと

もとい、



例えば

トイレットペーパーの底値調査は

貧乏性の常識だ。



トイレットペーパーというものはかさばるもので

見た目にも持ち歩いてあまりかっこいいものではない。


だから、それが帰り道ついでの買い物でなければならない。


例えば、おいらの場合

帰り道ルートは4パターンあり

ルート、時間帯によって購入店候補はかわってくる。


各店における自分のお気に入りの銘柄の底値デーは

それぞれ調査済みである。



なので、カレンダーを片手に

ここでは『ラッキーデー』を設定するのだ



『ラッキーデー』も『チャンスデー』同様

予定外の約束を急に入れたりできない。



そう、

銘柄の妥協無しで

より安くかつスマートに

トイレットペーパーを手に入れることができるのは

偶然でなく必然なのであって

そうして手に入れた極上の紙で用を足した時にやっと

絵も言われぬすがすがしさに酔いしれる特権が与えられるのだ・・・



(ああ、孤独だ。)



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えっと

話を深く進めよう!



貧乏性は『ポイント』という言葉に弱い。



クレジット機能付きではない気軽なものなら

『ポイントカード』なるものをあちこちで作ってもらうため

いつも財布は膨らみ気味である。


なので支払いの際、そのポイントカードを取り出すのに

時間を要する場合も少なくないのだが

うしろに並んだ行列からの視線に気づかないフリをしながら

最終的にカードが見つからずに

買い物じたいを取り消すこともめずらしくない




だが、落とし穴もある・・・!



以前、近くの商店街で

商店街専用のポイントシールをためてシートがいっぱいになったら500円分の買い物が出来 る

というシステムに心をくすぐられたおいらは

こつこつとシールをためる日々を続けた。


そして一枚目のシートがたまった。



だがどうせなら

ここはもう少し辛抱して

買い物をする際の快感度を高めようと

2枚目、3枚目のシートに突入。。。



そして、こつこつは続き

シールがあと3枚たまったら

4枚目もOKというところまできていた。



ところが

あろうことか

そんな大事な時期に

ついうっかりと“引っ越し”をしてしまったの だ!!!



あっけなくも

その汗と涙の2000円弱の金券は

ただの紙と化してしまうのか。。。




でも、貧乏性は粘り強い



〜何かのついでにあの商店街に行く機会があってシートで買い物が出来るかも〜



そんなことを期待して

大事に大事にそのシートを保管して早2年。。。



うん、あのシートを活用できる確率は

限りなく”ゼロ”に近い。。。わけなのだが



そこで、貧乏性というのは

気休めに計算する



よし、

その商店街にわざわざ出向くためには

片道(地下鉄160円+JR160円+バス200円)で

往復1040円



つまり、2000円ー1040円=960円



なるほど、それでは、960円分の買い物しかできぬのか。。。

ふむふむ。。。



あ!ちゃうやんけ!


4枚目のシートをうめるために

あとシール3枚分(300円でシール1枚)、

つまり900円を投資しなければならないじゃないかっ



ということは960円ー900円=60円



なんと

60円を得とするか否か。。。。



。。。。。



えと、

話をもとに戻そう。




貧乏性は

『延滞料金』とか『キャンセル料金』とか

ペナルティといった類いの言葉が大嫌いだ



例えば

レンタルビデオ延滞料金に対する反発は人一倍である




はてさて

近所に

新作をのぞくビデオが一週間一本レンタル250円という

比較的良心的なレンタルビデオ屋がある


そこで、最近

『3日レンタルで3本600円!』

というサービスがはじまった



確かに、自分は映画好きで

ひまさえあれば

1日3〜4本ぐらいまとめて見れちゃう性分である



なので、その『3日3本600円』に

おおいにそそられたおいらは

さっそく利用してみた。


だが、ここにも落とし穴があった。



《1日目》

やる気十分に3本借りてきたそんな日に限って

テレビでいい映画をやってたりするのだ。



そっか、よし、まずはこっちから見よう♪と

テレビ放映の方を優先させてしまうのだが

所詮タダの電波にはさほど執着はなく

その日はそのまま寝てしまったりする



《2日目》

次の日になって

今日こそは

帰ってきたら浮気はせずに

心おきなくビデオにはまろうと決心して家を出るのだが

思いのほか仕事がヘビーでしかも長引いたりして

帰ってきたときにはくたくたで

映画なんか見る気もおこらなかったりする

それでも頑張ってビデオ再生を試みるが

最初の広告映像の途中で結局寝てしまうのだ



《3日目》

こうなってくると

少々焦りが生じる



だが、貧乏性はいたって前向きなのだ



〜いや、あと一日あるもんねーだ

しかも今日は自宅作業だから大丈夫だ

エイエイオー!〜



〜おっと、ちょっとばかり宿題が長引いてしまったが

さあ、ビデオタイムだぁ!とやっと1本、2本。。。〜



3本めの途中で力つきて

やはり眠りにつくわけなのだ



そして次の日

出かけに返却しようとするのだが

家を出る前にイサギ悪くも

3本めの残りを2倍速でさらりおっかけて

せめてもと『結末』を確認する



〜ふう、『3日』をなめてはいけないな。。。

でも、ま、ストーリーは分かったし

なんとなくは楽しめたから、うん、満足だわ♪

とりあえず100円ぐらいの損かしらん〜



と得意の貧乏性計算に納得しながら

レンタルビデオ屋へ行ったとき

『3日の罠』にはまっていたことに気づいて

愕然とするわけだ



つまり

3日というのは2泊3日のことで

3回の夜を過ごせるということではない


そう、容赦なく1日延滞宣告を受けたのだ



延滞料金は一本一泊につき300円である

3本分でなんと900円の損である

まことに不条理な話である



涙ながらに店員に自らの勘違いを訴えるのだが



店員;『ほ〜ら、レシートに返却日書いてますよね?』

さ;『た、確かに。。。でもケアレスミスなんですよぉお。。。』

店員;『。。。。』




申し開きは却下、撃沈。。。。

 

そしてそれからしばらくは

後悔と自責の念に苛まれるというわけなのだ

 

 





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そう、貧乏性は

細かい金にほど細かくなる





例えば

パソコンなどの10万以上の買い物になると

 

〜おお、18万にこれがついたら20万か

ふむふむ、あんまりかわんないな

だったらついでにこれも買っちゃって♪〜

 

って、たいして必要でないものまで買ってしまうくせに

その際に発生する送料800円をけちって

重〜い荷物を両手に電車でちまちま帰ったりする

 

そう、ある一定の

ちまちま出来ないラインを超えてしまった金額に関しては

太っ腹というか無頓着だったりするのだが

ちまちま金額には敏感なのだ



 

例えば

99円ショップで買い物をする際

品物をひとつ買うと4円の消費税がついて103円となるが

ふたつ買うと9円の消費税がついて107円の支払いとなり

1円の損をする

なので、ふたつの品物が欲しい場合

レジに2回並んでひとつずつ支払って

1円を浮かすということもある

 

 

以前、知り合いのミュージシャンから

道端に落ちてるモノを拾い上げる動作は

5円分のエネルギーを消費するから

もし1円玉が落ちてても拾ったら損をするらしいよと

諭されたことがあるが



 

貧乏性にとって

単に金銭的に得をするということじたいよりも

もっと大切なものがある

 

 

そう、きりがないので

ここいらで〆に向かうとするが

 

そう、貧乏症とは

経済的になんらかの得をするということじたいよりも

実は『吟味』という行為、そしてそれにともなう『努力』

そうして手に入れた『爽快感』『満足感』

そして最終的には、それに対する『名誉』が欲しいのである!!

 

 

えと、まとまったかしら?




う〜ん

今回も

ながーい徒然記につきあってくれてありがとう☆



むふっ