徒然記
Vol.3

『歌手かメッセンジャーか』


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はてさて、本格的に花粉の季節到来ですネ


思い起こせばおととし

あわや花粉症デビューか??ってな症状を自覚し


これは自称健康歌手の名を

剥奪されるかもしれないという危機に陥り


いそいで虫媒花粉(ハイポーレン覚えてる???)やらヨーグルトやらを摂取、、、


体質改善

うんぬんかんぬん


やれ甜茶だ、しそジュースだぁぁ〜、はたまた40℃のお湯だぁぁぁ〜!と

もろもろ大騒ぎしたわけですが



去年はなんとか免れたみたいだけど

ちまたもそれほどひどくなかったみたいで

そんなに喜んでもいられないっちゅー感じで

今年は通常の10倍近い花粉が飛ぶとかって

鼻血が出るほどすんごいことになるとかって

去年の夏頃からだいぶ脅かされてたんですけど



見渡せば世間はすっかりマスク族がっ!!


インフルエンザか花粉症か区別つかないけど

おいらももろもろ予防のためにも

お出かけグッズにマスクを加えてあったかい日々におびえる生活、、、




とと、花粉ごときにふれることすら腹立たしいので

(花粉に罪はないのだけど)

そう、花粉に過剰反応する人間が悪いのだけど

(あーややこしい)

なにはともあれ歌手業に支障が出るではないかっっっ




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はい、どさくさに今おいら

歌手業ってさらっと言いましたが



ところで

おいらって

歌手なのでしょうかね




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えっと10年以上前になりますかしら?



池袋ライブガレージAdmというライブハウスで


・りりィさん

・カルメン・マキさん


というスゴいお二人と対バンライブが決定し


ってゆーか、ぴあのページでは

『ひな祭りだよ?!女性ボーカリスト3人対決!!』

、、、みたいな

恐れ多い表記になっておりまして



しかも

りりィさん(L)とマキさん(M)を差し置いて

おいら(S)の名前が最初にのってる、、、!!


S、M、L、対決!!

(Tシャツかっ)



もとい


ってか、オ、オレ、そ、そんなずうずうしく

名乗りを挙げてないっす、、、よ?

って言い訳もできませんでしたが



ええ、そうですとも

おふたりは

おいらにとって言わば


歴史上の人物!!



和製ジャニスとかって呼び声も高かった

まさに伝説のシンガーとして

インプットされていたお2人でアリマすよ



で、当時のおいらは

やっと人前で歌ってお金をもらい始めたばかりの

言わば丁稚奉公の身、、、



ある意味

このぴあの表記は

誰かの陰謀ではなかろうかと疑うほど

すごいプレッシャーのかけられ方であったわけで



そんなプレッシャーの渦の中で迎えた当日、、、


そう、本番前の楽屋で

事件は起こったわけなのです!!!!


ええ、そう。



ってか、想像できます?


Admの楽屋に

りりィさんとマキさんとおいらの

計三人しかいないという状況!!!



ええ、そう

メイクをしながら


しばらくおふたりのお話に

耳を傾けていましたが


最初はおふたりとも

最近どうよ?え?どーなのよ?みたいな話が展開してましたが



いつのまにやらまじめモードになり


『やっぱりボーカリストって歌手とメッセンジャーと大きく2つに別れると思うのよ』


、、、的な

深い話にまで発展しておりまして


『私はメッセンジャーでマキは歌手だと思うのよね、、、』



ふむふむ、、、なるほど、、、



すると突然

りりィさんが

おいらの方を振り向いて

おっしゃったわけなのです



『あなたはどっち?』

って、、、!!



ええっっ???え〜




えっと

その質問の意図がいまいちよく分からず


ってゆーか、なんとなく耳は傾けていたけど

心ここにあらず、、だったので


おふたりの話に参加するなんて

とてもとても恐れ多くて

でもなんだかどっちかって

決めないといけない雰囲気で


もともとのプレッシャーに

そんな意表をついた新たなプレッシャーが加わって

ぱっと気の利いたセリフを返せるはずもなく

考え込むこと約10分、、、

(↑)
(あ、実際は10秒ぐらいだったかもしれないがすんご〜く長い時間が流れた気がする。。。の意)




もんもん、、、もん、、、も、、、




(もんもんの内容)

リハ時にPAの高橋さんから見せてもらったお二方の曲リストからすると

りりィさんは全部オリジナル曲で

マキさんはカバー曲ばっかりで、、、

っちゅーことは、これは、

あなたはこの先カバーとオリジナルのどっちを歌っていきたいかってことなのかしらん?

それともそれとも

今日おいらがカバーもオリジナルもどっちも歌うということが

そもそも問題だったのかしらんかしらん?

もしくは歌うことと言葉を伝えることとどちらが楽しいのか

どちらが大事なのかという

実は深い選択を強いられているってことかしらんかしらんかしらん?

それを今答えなきゃいけないのかしらんかしらん、、、、

もとい

はたまたもしかして実はもしかしてこれはマキさんとりりィさん

いったいあんたどっちが好きなのよぉ?

って聞かれてる、、、???のかしらん?

マキさんはだまってるし、うひょ〜もしかして二人すごい仲が悪いのかしらん、

あ、でもりりィさんちょっと笑ってるし、

あれ?これって実はふたりにからかわれてる?ひまつぶしにいじられてる?

あ、もしやまさかこれって『どっきり』?

うひょぉぉぉ????、、、、

うんぬんかんぬん





もんもん。。。。

も、。。。んも。。ん



その間のおいらの頭の中は

すごいことになっていたわけで、、、


でも、その後どっきりの看板を持ったお兄さんは登場せず

まじめに答えなきゃいけないのだわと理解して

苦しまぎれに出した返事は


『あ、えっと歌うの好きだし、歌手。。。なのかな。。あ、でも
オ、オリジナルも歌っていきたいし、あ、曲はいっぱい作ってるんですよぉ
けっこう気に入ってるし人に聞いてもらいたいと思うし
でも、全部が全部メッセージソ ングというわけでもないんですけど。。。
どっちですかねぇ。。あ、マキさんの歌もりりィさんの歌もすごいなーって。。。

えっと、あは、どっちでもありたいということですか。。モゴモゴ。。



ってな感じだったと思いまふ。


サミません



そのあと自分が本番でどんな歌を歌ったかも

覚えてないのですが




ライブ終了後の打ち上げで

りりィさんはおいらに

『ま、何はともあれ歌い続けなさい』

とおっしゃってくださいまして


さらに

『あと、子供は産んどいたほうがいいわよ』

とこれまた謎めいた捨て台詞を残されていったわけなのです







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というわけで時は流れて

只今おいらは

某TDLの某ポリネシアンステージにかかわっておるのですが



そう、それは今まで

おいらが触れたことのないミュージカル形式のステージで


しかもモノがハワイアン的な感じで

英語だったりポリネシアン語だったり、、、


バンドの生演奏をバックに歌う、、といっても

いわゆる音楽だけ提供するというわけではなく


踊りやおしゃべり、お食事、などのさまざまな要素が

ふんだんに盛り込まれたショーであって


おいらは

歌う以外にやらなければいけないことが

いっぱいあるわけなのですよ



確かにこれまで

歌に振り付けがあったこともあるし

ライブに台本が存在したこともありますが


振り付けにしろ

衣装にしろメイクにしろなんにせよっっっ


今回のショーに関しては

平泳ぎと自由形、たまに背泳ぎの水泳選手が

お前も水泳選手ならバタフライも泳いでみせろと

言われているようなもので、、、



あ、理解できます?



ええっと、分かりやすく言うと

お前は水泳選手だが

トライアスロンにも挑戦してみろと

言われてるようなもので、、、


あ、なんかそれました?




ええっとぉ

つまり

簡単に申し上げますと

現在、未体験ゾーンに突入しているというわけなんですよ

(振り出しにモドル。)



ん〜っと、そう、そのゾーンは

もろもろの要素のバランスを要求されているというわけで


歌は歌うのだけど

いわゆる自分というものを出してはいけない



それ以上もそれ以下もないという

ある一定のアベレージを保ちつつ


あくまでも

レストランの女主人を演じて演じて、、、


ま、これも歌手業の一環として、、、という言葉で片付けるべきなのか

やっぱり女優業に近いのね〜とかって笑いとばすべきなのか


なんてなことを考えながらステージにたってると

ほーら、ステージの魔物が、、、!!


ステージ上で靴が脱げたり

何にもないところで転んで

ガリバーになってみたり

セリフも歌詞もぶっとんだり、、、


ほんとになにやってんだか




正直、ちょっと悩んでたわけなんです


ー おいら今自分の歌が歌えてるのかなぁ ー


とかなんとか




で、ふと蘇ってきたんです

りりィさんのあのときのセリフが、、、!!




ー 歌手かメッセンジャーか、、、 ー



おお、そっか


ああ、りりィさん

これがざっくりと『歌手』ってことなのですかね




そんなとき


ー 私、Sammyさんの歌、大好きなんですよ!! ー


とのたまうぬいぐるみ、、、じゃなくて

リス(キャラクター)がにっこりと目の前にいたんです



そのリスは相棒のリスや

ネズミの男のコ女のコなんかと一緒に

(暗号が多くてサミません笑)

Sammyの園外のライブやら座椅子ショーにも

遊びに来てくれていたので




試しに

ー どれがほんとの私だと思う? ー

って聞いてみたんですよ




でも、そのリスはひるむことなく


ー 全部です ー

と即答



そして


ー Sammyさんは何を歌ってもSammyさんですから ー




ですって





ふむふむ、あのとき

こんな感じで答えられたら

清々しくて

カッコよかったのかな



ワタシはワタシですからって


*ワタシはワタシ
(Monday Night / Sammy より)



もとい


あのときは緊張して

おいら勝手に威圧されてもごもごしまったけど



そもそも

りりィさんは

決して上から

ー どっちかさあ選びなさい ー


、、、って

おいらをせっついたわけではなく




ー あなたはどちらにもなれるタイプ? ー


、、、っていう

おいらへの質問だったんじゃなかろうかと


もしくは

ーどちらかに決めたら楽よ ー

ってアドバイスだったかも



いずれにしても

りりィさんは当時ごくごく同じ目線で

おいらに接してくれていたのですよ


えへへ

なんだかちょっと

きゅんとしました




ライブ後の

『子供は産んどいた方がいいわよ』


というお言葉も


あらためて噛みしめてみようかと





つづく